企業理念とその変遷
本ページでは企業理念を軸にRELATIONSの歩みに触れていただきます。
会社や経営者の根底にある願いとは別に、会社のおかれている状況は常に変化し、目指す方針もそれによって揺さぶられていきます。企業理念の変遷を辿ることで、私たちRELATIONSが本当に大事にしたいものの質感が少しでも伝われば幸いです。
RELATIONSは創業時より、会社の目指す方向性を言語化し、邁進してきました。
当初はスローガンに始まり、次にミッションやフィロソフィー、そしてパーパスと呼称や意味も変容してきました。ここではこれらの総称を「企業理念」としています。
リレーションズ株式会社(当時はカタカナ表記)は、8名による共同創業という形で設立されました。
設立前、創業メンバーはベンチャー・リンク社の板金修理のフランチャイズ開発事業部に所属していました。この事業の撤退を受けて、「目の前にいる顧客に最後まできちんと貢献したい」という想いが立ち上がり、代表の長谷川の呼びかけに応じる形で、当時メンバーの内、8名でリレーションズを創業しました。当初は事業を引き継ぐ形でしたが、顧客の事業の安定に貢献するため、営業や業務改善など様々なことに携わっています。
当時の企業理念(スローガン)は、「Your Dream Our Challenge」です。この言葉には「顧客の夢が、私たちの挑戦によって実現する」という意味が込められています。
創業は顧客との関係性から生まれており、その事業もまた同様でした。そのため、既存の事業に固執するのではなく、「顧客がありたい姿を実現するときの伴走者として、リレーションズの一人ひとりが真摯に向き合い、新しい価値を生み出していくこと」を掲げたのです。
この想いの通り、さまざまな挑戦の結果、「Less is Plus」(コスト最適化コンサルティングサービス)が生まれており、今日まで事業を続けています。
またこの時には「創業理念」というものもありました。
創業理念は企業理念とは違い、「これから大切にしていきたいもの」という位置づけです。
日常でこの創業理念に触れることはありませんでしたが、ここに書かれている「社会貢献」「開拓者精神」「ステークホルダーの幸せ」「温故知新」の思想は水脈のように今も会社の根底に流れ続けています。
前の会社から引き継いだ事業の方向性が落ち着きを見せ始めた頃、今後リレーションズが進む方向性を再定義します。それが「人が地球とともに歩み豊かさを分かち合える未来を創造する」です。
収益よりも顧客や社会のために事業がないと、持続可能性がないという想いから、従来よりも社会貢献の色を押し出した形になりました。
当時の長谷川の言葉を引用すると「お金儲けではなく、本当に世のためになることがしたい」と胸中を語っており、顧客とその先の社会を見据えた形に企業理念は変容しました。
また同時にこの理念とは別に「Change the Standard Value」(=世の中の標準を変えていく)というバリューのようなものも設定されました。
「人が地球とともに歩み豊かさを分かち合える未来を創造する」を実現するには、「人の価値基準を変えないと難しいからそこに挑戦しよう」ということから生まれています。
前述の「Your Dream Our Challenge」の流れも汲んでおり、「挑戦の先に、新しい価値を生み出し、それを標準(スタンダード)にすることで、社会の変容を促す」という想いを込めています。
この時期に、Cogooなどの自転車シェアリングサービス事業なども立ち上がっています。
「Change the Standard Value」を引き起こすための挑戦を繰り返す中で、ある考えに行き着きます。それは、「世の中でこれまでに起きてきた大きな変化は、一人の想いや原体験から引き起こされている」ということです。
例えば、昭和20年まで不治の病とされていた結核も、結核患者を救いたい想いから薬やワクチンなどが発展し、それは赤痢やペストが解決されていく流れを作っていったとされます。このように、一人ひとりの目の前にある課題を解決する想いや行動が、社会を変容させていく動きをつくっていると捉えました。
企業理念「b++」(ビープラス)には2つの意味が込められています。
マイナスをプラスに転換することで、”よりよい選択肢を創る”
リレーションズの存在意義は、世の中にある様々なマイナスをプラスに転換することで、よりよい選択肢を創ることにあり、 その意志を込めb+という言葉を創りました。
bはbe動詞(〜である)から来ています。
++はプログラミングの世界では増加や連続を表します。 衣・食・住の分野でb+の連続が起き、人の寿命が大きく伸びたように、 「b+が連続して起きれば、結果として世の中にある大きな問題も解決に向かうのではないか。」と思い+を1つ加えました。
b++を掲げて以降、新規事業はさらに生まれていきます。SELECK、Cloud ideals、+m、スマートメンテ、みらいマルシェなど様々な事業が立ち上がりました。事業推進のため、各事業が採用を進め、社員数も2012年〜2016年で13名から40名へと増えていきます。
このような組織の変化の中で、「採算性と投資」「各事業の個別最適」が進み、自律分散的に活動する一方で、「会社全体の視点を失い、各自の事業を最優先に活動する状態」に陥りました。結果として、会社全体での方針を明確に打ち出す必要性に迫られました。
2017年にこの問題を解決するために、「組織としてどこに向かっていくのか」という問いに向き合うことになり、結果として企業理念(ミッション)の変更を検討します。
侃々諤々の議論の末、「ええ会社をつくる」というミッションを掲げることになりました。(後に、「ええ会社をつくる」はフィロソフィーと呼ばれ、最終的にパーパスとして捉えれるようになります)
事業の個別最適により、会社の方向性が定まりにくい事から、「Why are we here」(なぜ私たちはここにいるのか?)というところから対話を重ねました。
結果として、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を刷新し、「ええ会社をつくる」というミッションを掲げます。
当時「ええ会社をつくる」とは、「顧客と社員に信頼され続ける会社」と定義されており、顧客に対して、個社ごとに深く入り込んだ支援を行うことを事業の中心に据えました。
これによって、このミッションから外れた領域に資する事業は事業撤退・譲渡する意思決定がされました。
また「ええ会社」を自社が体現するために、「一人ひとりが自身の情熱に基づいて働く」という創業から大事にしてきた思想と「会社への求心力やガバナンスを保つ」ために、取締役撤廃やホラクラシー導入など、様々な施策を取り入れ組織の変容を試みました。この変化にほとんどの社員は学習棄却(アンラーニング)を迫られることになります。
組織はなぜ変われないのか? 経営者こそ「360度フィードバック」を受けるべき理由
「ええ会社をつくる」というパーパスに沿って活動する中で、組織の根底にある文脈の不一致が明らかになっていきました。それは会社のパーパスと、個人のパーパス(実現したいこと)が重なっていない事による「小さなズレ」といえます。その小さなズレは、経営や事業の意思決定に大きく影響していました。
2020年に関係性を扱うシステムコーチング®を契機に、対話を重ねて、コンサルティング事業以外のWistant、Seleckの事業譲渡(EBO)を決断します。創業メンバーを含む20名弱がRELATIONSから離れる大きな痛みを伴う決定でした。
その後、2021年にRE:STARTというプロジェクトで対話型組織づくりを実施し、組織変革とリブランディングに着手します。この一連のプロセスによって、RELATIONSがこれまで歩んできた経験と学習をふまえて、パーパスは「会社に生命力を」に洗練されていきます。
2022年に掲げた「会社に生命力を」というパーパスには、「あらゆる会社には本来、その会社の可能性・創造性を開く生命力がある。しかし、その生命力は蓋をされることが多く、きちんと発揮されていない。会社が生命力を取り戻すことで、その会社とそこに属する人の可能性は開き、会社や一人ひとりが躍動していく」という哲学・思想が反映されています。
このパーパスには、「あらゆる会社の知性と創造性への信頼」が前提としてあります。RELATIONSは会社に生命力を取り戻すために、伴走者として、ステークホルダーと生命力にあふれる会社を探求していきます。