沖縄県で県内初の24時間・年中無休のスーパーマーケット「フレッシュプラザユニオン」を20店舗経営する。「いい人・いい町・いい暮らし」をモットーに、地域密着型スーパーとして、つねにお客様第一の店舗づくりを行っている。
圧倒的なコスト改善を達成。その過程で明らかになった組織の課題
・コンサルタントの一般的なイメージとは異なる、親身になってくれる安心感
・経費の可視化は達成するも、その過程で組織の課題が浮き彫りに
社内のひずみは、進むべき方向性の不在。魂のあるパーパス策定
・社内のコミュニケーションの課題解決のため、社内変革の方針を定める
・一宿一飯をともにし、本音の対話から新パーパスを再策定
ワークショップで変わりゆく組織。トップダウンからボトムアップへ
・パーパス策定とワークショップの実践から生まれた希望。個人の目まぐるしい変容
・ワークショップは2年継続。パーパスが浸透し、組織基盤を整える次のフェーズへ
1
【課題】
・コストの見直しを行いたいが、自社では難しい。
【解決策】
・Webの情報で興味を持ち、関係性を重視した交渉を行うRELATIONSに支援を依頼。
先代から長年つながりのある取引先も多いので、単なる事業者の切り替えでコストを下げるのではなく、関係性を考慮した上で交渉するRELATIONSに好感を持つ。
【課題】
・コスト面について、現場以外でかかっている経費は特に“ブラックボックス化” している。
【解決策】
・コピー機やチラシ印刷、損害保険など計8 品目のコスト改善に着手し、年間約6,000 万円を改善。
【その後の組織変化】
・現場以外でかかっている経費の可視化ができた。
コストの見直しを行ったことで、主体性に欠けるといった組織の課題も浮き彫りとなり、社員の意識改革の必要性についても、仲村氏は徐々に感じ始めていた。
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【課題】
・従業員のモチベーションが下がっていて、上司と部下のコミュニケーションが上手く取れていない状態だが、社内では打ち手が見つからない。
【解決策】
・RELATIONS が社内に入り込み、現状をヒアリングし、仲村氏と話し合いを重ねた結果、
(1)トップダウンから、ボトムアップの組織に変える
(2)「失敗を恐れない」風土をつくり、新しいことにチャレンジする企業として差別化することを方針として決定。
RELATIONSの支援以前から悩んでいた”社内の意識改革をどう進めていくべきか”について、RELATIONS に相談したことでプロジェクトが動き出した。
【課題】
・経営理念はあるが、従業員にまで浸透していない。
結果、個別最適というバラバラの状態に傾き、組織の団結力が低い状態に。
【解決策】
・企業としての魂を入れこんだパーパスの再策定。
・パーパス策定のために、RELATIONSで一泊二日の”合宿”を企画。
合宿では、野嵩商会の“らしさ”(価値観・強み・アイデンティティ) はどこにあるのか?
野嵩商会に対して、地域やお客様、社会からはどのような期待があるのだろうか?
について、各部門の意思決定者と時間をかけて本音で話し合った。
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【課題】
・野嵩商会に在籍することに後ろ向きの状態の社員がいる状態。
【解決策】
・仲村氏とRELATIONS で想いや願いに触れることを目的にしたワークショップの場の設計を行う。
【その後の組織変化】
・組織改善のメンバーでありながら辞める寸前だった社員が、対話を重ねるごとに”組織が変わる可能性”や希望を感じ、みるみる前向きになっていった。
・パーパス実現へのモチベーションが高まり、「顧客へ良いものを良い価格で提供したい」という想いから、担当者が取引先に対しても積極的に交渉を始めるようになる。
・個人だけではなく、職種ごとの壁も無くなってきた。
【課題】
・コストの見直しを行ったことで、人件費を客観的評価し、情熱を持って社員が働き続けるためには”人事評価制度”を定め直す必要があると気づく。
・パーパスができたが、目標等で進捗を追えていない状態。
【解決策】
・RELATIONSの伴走のもと、社内のプロジェクトメンバーで”目標制度“と”人事評価制度“を刷新する。
パーパスが浸透したことにより、自律的な社員が生まれ、社内で組織づくりを自走する動きが活発化する。
*本事例は2023年8月時点での情報です。
コストの見直しをした後に組織改善にもトライされた背景にはどのような思いがあったのでしょうか?
▍仲村氏
組織課題に意識を持ったのは、私が部長だったときのこと。元々トップダウンの色が強く、現場から会社への不満を聞くことが結構ありました。現場の士気を保てなくなり「このまま放置していたら現場から組織が腐ってくる」という危機感を感じました。根本から変えていかないと、今後の成長は見込めないな、と。
当初は組織改善の取り組みを良く思わない社員の方も多かったことも事実ですが、諦めるということは頭になかったんです。野嵩商会に入社する以前、他のスーパーマーケットに勤めていた際に、全く経験の無い鮮魚担当を任されて。包丁も持ったことがなければ、魚のさばき方すら分からない。それでも目の前のことを一所懸命やっていたら一人前になれた。 難しい状況であっても諦めなければ出来る、と感じた原体験の影響は大きいですね。
RELATIONSが支援に入ったことで生まれた、一番大きな変化はなんですか?
▍仲村氏
横の連携が生まれたことですね。これまではバイヤーが各セクションで孤立し、店舗間では情報共有がされていない状況でした。経営理念が浸透しておらず、共通の理想状態に向かって奮闘するという仲間意識も薄かったことが大きな原因だと思います。
しかし、いまは新パーパスが各従業員にも浸透し、ワークショップによりコミュニケーションもだいぶ増えてきて。部下に対する接し方が変わったり、自主的に店舗ミーティングを開くようになったり。現場各所で変容が見られました。
RELATIONSは、野嵩商会さんにとってどのような存在ですか?
▍仲村氏
従業員を元気にしてくれる会社です。定期的に組織に刺激と気づきを与えてくれるので、「よし!やるぞ!」とモチベーションを高めてくれるんですよね。
今後は、“野嵩商会だから出来る店舗”をつくるために育成に力を入れたいです。 これまでの組織改善の取り組みによって、バイヤーや店長は生き生きと働くようになりました。今度はそれをチーフや現場にどう伝播させていけるかが課題です。若手の良い人材が育つように、属人化しているベテラン社員の知見を、仕組み化して下の世代の社員へしっかり伝えていくことも大切ですね。
これからも、未だかつてない取り組みに、社員と一緒に挑戦していきたいですね。